整頓学誕生秘話(3)

「整頓学」誕生秘話(3)

 

 チョーク関係の整理整頓は簡単でした。スペースはあったので、別な場所に予備も今までより多く置き、使えそうもない短いものをさっさと捨てていけば良かっただけですから。週一回もさりげなくやっておけば済みました。

 次の問題は、本や棚板の高さはもちろん、タテヨコにもあまりこだわらず乱雑に収納していたガラス書棚(中段のカウンターにチョークを置いていた)でした。よく見ると、ガラスには埃がたくさん付いていて長い期間開け閉めがなかったことがわかりました。一気には難しかったので時間をかけて少しずつ整頓していきました。

 しかし、途中で錯覚かと思うことがありました。次ぎにきれいにしようと思っていたはずの部分の整頓が済んでいたのです。私がやろうと考えていた方法で。そうか自分でもうやっていたのだ!? いや、そんなはずはない、そこまで記憶力が悪くなっているはずはない!(まだ40歳前後の時)と、数日自問自答していてわかる日が来ました。若い女性でしたが、私とそっくりなパターンでさりげなく手伝って、いえ、そうではなく、彼女もほっておけなくてやってくれたのでしょう。もともと私と整頓法が似ていたのは彼女の机上本立てを見てすぐわかりました。
 強力な協力者を見つけてその後の作業がはかどったのは当然です。但し、この分野においてという条件の下で。(続く)

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整頓学誕生秘話(2)

「整頓学」誕生秘話(2)

 

 大きな転機は勤めて15年目位にやってきました。その間も同僚が文房具や配布文書を借りに来ることはよくあり、私が工夫した机の下の棚を作ってほしいという依頼も何件かありました。しかし、それで私の意識が変わった訳ではありませんでした。 

 異動した職場の書棚カウンターの前に立った時です。使い古して小さくなったチョークとたっぷりの粉が入った入れ物(竹製のカゴ風)がありました。そんなに小さくなったチョークを誰が使うのだろうか、それも粉の中から拾う状態とは。この職場の整理整頓は思いやられるなぁと半ば呆れました。

  でも、驚くのはまだまだ早かったのです! 私がそのカゴ風を持ち上げたら、なんと粉だけが全部カウンターに残ったのです。そのカゴ風はあじの干物が入っていたようなザルと言うより格子状の入れ物でした。残った粉の量からして1~2年間はその状態だったのだろうと十分推測されました。

  その日からです。私がやる気になったのは。(続く)

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整頓学誕生秘話(1)

「整頓学」誕生秘話(1)

私は兄弟の多い中で育ったので、幼い頃から自分の所有物を区別しようとしていた記憶があります。そうしないと下着すら取り違えてしまうのではないかという心配をすでに感じていたのでしょう。

ですから、整理整頓に目覚めたのもその頃だと思います。環境の影響でしょう、今でも兄弟達はみな家の中の整頓ができています(血液型は4種類全部います)。当時は母親が愛読していた「暮らしの手帖」の商品紹介やテストのページを読むのが好きで、小学三年か小四の頃の夢は「暮らしの手帖」社か、どんどん便利な文房具を売り出していたコクヨ社と決めていました。

自慢するつもりは毛頭ないのですが、中学三年頃から高校時代は夜自室に文房具や教科書などを取りに戻った時、部屋の蛍光灯をつけずに済ませていました。

いえ、正確に言うと、古い(寿命の来ていた!)天井の蛍光灯がつく前に用を済ませて部屋をあとにしていたということです。しっかり整頓していたので、引出し内の文房具はもちろん本立ての教科書類も触れば(厚さや紙質で)何かすぐわかりました。しかし、大きな後悔があります。それが学力向上と直結しなかったことです。(几帳面な整頓を自分で楽しんでいたのでしょう!)学習法の改善を意識するようになったのは大分あとになってからです。(写真は私と直接の関係はありません。念のため) (続く)

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整頓学について

もう一度、整頓学について!

「整頓学」では次のような考え方とねらいで活動していきます。
1 「整理整頓」には合理性と科学性が重要です。
  ああすればこうなると予想がつけば、いろいろがスムーズになり無駄が減ります。

 

2 「整理整頓」できれば「時間とお金が浮く」と考えています。
  もったいない事ですが、いろいろな職場で埃をかぶった、あるいは変色した新品未使用の道具と材料が見つかります。

 

3 「整理整頓」で一番大事なことは機能性で、それに付いてくる機能美は結果だと考えています。(きれいに越したことはありませんが)

 

4 「整頓学」の対象は(不特定)多数が活動する会社や学校・公共施設です。(家庭や個人の部屋は、それぞれの好きに「どうにかなるさ」と考えています)しかし、そのためには使用者の意識向上(わかりやすい表示はその一つ)と習慣の定着が必要です。

 

5  そこを利用する過半数の人間が「次に使う人(自分の場合もある!)」のことを配慮できることが最大の前提条件でしょう。 

 

6 「整頓学」のねらいが達成できればスムーズで無駄がなくなり、気分良く活動できます。但し、ごく少数のコントロールできる人の育成が急務です!